2008年のリーマン・ショック直前には、総額4千億円超もの開発計画が集中する「リゾートバブル」に島は沸いたが崩壊。ブームにのった観光客数も09年度は頭打ちとなり、すでに、ホテルの競争激化を危ぶむ声もある。
地元では脱リゾート開発への動きが出てきた。
沖縄本島の宜野湾市、米軍普天間飛行場から約1キロ離れた西海岸。
13階建て245客室の「シェラトンホテル」が今年中に開業するはずだった。
東京の新興不動産業者が倒産し、昨年末に建設を断念。
市は11億円超で売却した用地を買い戻すことになった。隣接するホテルも同じ業者が建設途中で、倒産した時にはほぼ完成。
観光地として後進の宜野湾市では、西海岸のリゾート地帯への仲間入りをめざし10年近く計画を進めてきた。だが、「インターコンチネンタル」など候補は浮かんでは消えた。
6月から「ホテル以外の選択肢も検討する」(担当課)と、ショッピングやスポーツ施設など、ホテルにこだわらずに公募を実施した。
とはいえ、土地は一括購入が条件で、賃貸でないと商業施設の採算は厳しい。
地元商工会では「空き地のまま放置されたり、建設途中で止まったりするのがやっかい。今の市況で開発できるリゾート業者がいるのか。
asahi.com(朝日新聞社):沖縄観光、曲がり角 観光客頭打ち、リゾートバブル崩壊 - トラベル
http://www.asahi.com/travel/news/TKY201008030237.html
観光客、8年ぶりの減少
沖縄の観光客数は02年以降、右肩上がりを続けてきた。
ドラマや映画などによるブームと、ホテルや航空路線の供給増が需要をつくってきた。08年までのバブルは地元資本より、本土の新興開発業者やファンドが生みだした。
しかし、09年度の観光客数は前年度比4%減の569万人と8年ぶりに減少。不況や新型インフルエンザの影響もあったが、リゾート業者は「本土の沖縄ブームも終わり、今は観光産業の転換点」と口をそろえる。
観光客1人あたりの滞在中の消費額は91年の9万1千円をピークに、今は7万円まで下落。開発ラッシュが一足早く進んだ那覇市では、09年の稼働率はピーク時から1割強も落ちた。
那覇市内のホテルは「競争が激しくなり、単価が急速に落ち込んだ」と嘆く。成長を続けてきた観光産業が利益を上げづらい構造になりつつある。
高級ホテル「カヌチャリゾート」(名護市)を経営する白石武博社長は「もう既存と同じホテル開発をしても、すぐ飽和し、失敗する」と断言する。名護市の観光担当も「ホテルは観光の基幹だが、もう飽和に近い。
新たな魅力発信がないと限界だ」。
観光客1千万人の構想を持つ県が期待するのは、中国など海外の観光客の取り込みだ。
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